香蘭女子短期大学

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ライフプランニング総合学科

【密着授業取材】人生を変える、“リアルな学び”【Vol.2】

企業と連携した“リアルな”女子旅を企画します

 中濱先生はグループワークの進行具合をみながら、次の段階に進むよう全体に指示します。「じゃあファシリテーターの方、場所を意識しながら模造紙に付箋を貼ってカテゴライズしてください。“ご飯が食べたい”とか“インスタ映えする写真を撮りたい”とかそこで何をしたいかも書いて、絶対にここに行きたいというのをみんなで共有してください」。
 スマホで情報収集は簡単にできますが、2泊3日ですべての場所に行くのは不可能なため、学生たちは出し合った案から取捨選択し、効率的にバスで回る方法を調べます。「ここに行くと1日つぶれちゃう」「2泊3日って短いね」などと話し合いながら、福岡を出発してからどこに行き、昼食や夕食はどうするか、宿はどこにするかなどスケジュールを組み立てていきました。
 次に先生は、「ファシリテーターの方、みんなに何をしたい旅なのか意見を聞いて、テーマを書いてください。たとえば“癒しの温泉旅”とか“おいしいものめぐり”とか、聞いただけでこういうことがしたいとわかるものを話し合ってください」と指示を出しました。
 翌週の授業にはSUNQパスの企業の担当者が各チームの話し合いに参加し、計画したルートで実際に行動できるのかなど確認します。最も魅力的な旅の企画はSUNQパスの宣伝用に採用され、立案したチームが実際にそのルートで女子旅に出かけます。
 先生は「企業からお金をいただいてやることだから、相当クオリティーを上げないといけないんです。企業側からすれば、SUNQパスをたくさんの人に使ってもらうために、“SUNQパスを使ってこんな女子旅ができました”と宣伝したい。この旅に行くためにSUNQパスを買いましたという人が出てくるくらいの企画を考えてください」とわかりやすく説明し、学生たちのモチベーションをさらに上げました。

爆食い、癒しの旅…みんなで考えた旅を発表!

 授業の最後には、1チームずつ代表者が前に出て発表しました。
 長崎と佐賀を担当したAチームは「爆食い」がテーマで、長崎の中華街や佐賀のスイーツを食べ歩きする旅を企画。Bチームの担当は大分で、温泉に入ったり高原で遊ぶ「癒しの温泉旅」をまとめました。
 熊本担当のCチームのテーマは「おいしいものめぐり」で、意見が分かれた天草と阿蘇の2パターンの工程を作成。1つは熊本城近くにある城彩苑で食べ歩きをしてから天草に移動してイルカウォッチングなどをする旅、もう1つは阿蘇の牧場で遊んだ後に温泉に入り、海が見えるホテルに宿泊する旅を考えました。
 宮崎、鹿児島を担当したDチームが考えたのは、宮崎では高千穂峡、鹿児島では霧島アートの森に行く「自然をめぐる旅」で、チキン南蛮など各県の名物料理も食事のスケジュールに盛り込みました。
 中濱先生は「来週はこれをたたき台にして、企業の方に細かく聞きながらブラッシュアップします。宿題は、本当にそこにいきたいのか、それ以外はないのかを調べてきてください」と翌週に向けた課題を出して授業は終了となりました。

普通の授業ではできない、現実に即した学び

 自分たちで調べ、話し合い、考えをまとめてプレゼンする。主体的に動いて学ぶ授業を終え、ある学生は「行きたいところはたくさん出てくるけど、そこにバスがちゃんと通ってるかわからないし、行きたい場所が離れてると全部は行けないのでそれを考えるのが難しかったです。旅行会社の人はいつもこんなふうにしながらツアーとかを考えているのかなって思いました」とたくさんの刺激を受けていました。翌週に向けて「家でちゃんと調べてきて、SUNQパスの方に質問できるようにします」と気合十分。この授業については「普通では勉強できないことを調べたり勉強できるのでいいなと思います」とその楽しさを話してくれました。
 中濱先生は「普通の授業のグループワークと違うのは、空想でやっているわけじゃなくて、本当に旅行に行くところ。企業からお金をいただいてやっていることなので、それだけのクオリティーが求められるし、真剣さが違います」と強調します。
 企業や地域社会と連携した授業を通して、学生のうちから実社会に触れる経験を積み、将来につながる力を身に付ける。どんな教科書よりも現実に即した“リアルな学び”の時間は、きっと、人生を変え、新しい考え方が身に付き、苦楽を共にした仲間とは一生の友達となれるでしょう。

ライフプランニング総合学科 教授、学生部長
中濵 雄一郎先生 

福岡県北九州市出身。担当科目は「地域創生入門」「パーソナルファイナンス」「証券外務員Ⅰ、Ⅱ」他。サッカー、読書、映画鑑賞、グルメ探しなど多趣味。

【密着授業取材】人生を変える、“リアルな学び”【Vol.2】