香蘭女子短期大学

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食物栄養学科1年生の後期に開講されている食品学実験を紹介します。

この授業では食品の特徴を成分レベルで学びます。

近年では健康志向の高まりから食品の持つ力や機能にも注目が集まっています。
食品の機能を学べば免疫力の向上や生活習慣病の予防など私たちの身体にとって良い効果が期待できます。

食品は様々な化学物質で構成され、その成分のわずかな違いが食品の特徴となっています。
この授業の目的は日常的によく使用されている食品を試料とし、それらに含まれる成分や特徴、取り扱い方法、また各成分の分析方法を習得することです。

危険を伴う試薬を使ったり、慣れない器具で操作したりするため、第1回・第2回の授業では、実験機器の使い方、溶液の調整方法、水溶液の性質など基本操作からじっくりと説明があります。

ここで、授業の風景を少し紹介します。
写真は第6回目の「糖質の性質についての還元糖定性反応」の様子です。

今回は、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロースの4つの糖を定性反応(目的の物質に特有の性質を利用して、その物質が在るか無いかを見出すことです)させてこの中でどれが還元糖であるかを確認する実験です。

簡単に、この4つの糖を説明します。
・グルコースはブドウ糖のことで果物や穀類などに含まれている自然界に最も多く存在する単糖類です。
・フルクトース は果糖のことで単糖類の一つです。全ての糖の中で最も多く水に溶けます。 ハチミツ、果物などに主として含まれています。
・マルトースは麦芽糖のことで、水あめの原料などになります。
・スクロースは単糖であるグルコースとフルクトースが結合した糖であり、二糖類のひとつです。

また、
糖は還元糖と非還元糖に大きく二つに分けることができます。
今回は還元糖を確認することが目的です。
還元糖は化学構造上、とても酸化されやすい部分があります。
そして相手の物質から酸素を奪うという性質もありこの性質を利用して反応を見ているところです。

写真では見にくいところもありますが、4本中3本に赤い沈殿物(酸化銅)が認められました。
この赤い沈殿物が確認されたという事は還元糖であるということになります。

そして最後は実験内容のまとめレポートを作成します。

食品の種類や特徴はとても多くて複雑ですが、知識が増えると自分が食べているものが身体の中に入った時にどの様に作用するのかを知ることもできとても楽しいです。
これからも食品のことについて理解を深めていきたいと思います。

食品学実験