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食物栄養学科

栄養士の資格は通信教育で取れる?メリットとデメリットを解説【Vol.1】

栄養士は栄養士法という法律で定められた国家資格で、健康な人を対象として栄養指導や給食の運営を行います。また、栄養士と似たものに管理栄養士がありますが、管理栄養士は傷病者や高齢者、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行います。栄養士が活躍する職場には「病院」、「老人福祉施設」、「介護保険施設」、「児童福祉施設」、「学校」、「研究機関」、「大学」などたくさんありますが、最近ではスポーツチームの専属の栄養士を目指す学生が増えている印象を受けています。また、栄養士の資格を活かしてドラックストアや一般企業で働いたり、中には自分で起業している方もいます。このように、医療資格でありながら活用の幅が非常に広い栄養士資格ですが、栄養士になるにはどうしたらよいのでしょうか。

まず大前提として、栄養士の資格を取るためには「栄養士養成施設」で指定の単位を取得して卒業する必要があります。大学や専門学校の中には通信で学べる大学もありますが、栄養士養成施設に関しては通信で学べるところはなく、ユーキャンなどの民間の通信教育講座でも栄養士の資格を取得することはできません。さらに、国内の栄養士養成施設はすべて昼間部であり、夜間で学べるところもないため、栄養士の資格を取得するには昼間部の栄養士養成施設を卒業する必要があります。また、栄養士資格は他の医療系資格と異なり資格取得の際の国家試験がありません。つまり独学で勉強して資格試験を受けるということもできないので、栄養士養成施設を卒業する以外に栄養士の資格を取得する方法はありません。では栄養士の資格を取得できる学校にはどのようなものがあるのでしょうか。

栄養士の資格を取得できる栄養士養成施設には「大学」、「短期大学」、「専門学校」がありますが、まず「短期大学」と「専門学校」について説明します。短期大学と専門学校は両方2年間のカリキュラムで栄養士の資格を取得できます。栄養士取得のためのカリキュラムは「短期大学」「専門学校」で差はありません。最低限これだけは教えなくてはいけないという内容が決まっているので、これらの内容にプラスしたところで、それぞれの短期大学・専門学校の特徴を出しています。例えば、調理関連の資格をたくさん取れるようにサポートしてくれる学校や、スポーツ栄養関連の授業がカリキュラムにたくさん含まれている学校など様々です。

短期大学と専門学校は両方とも2年間の学校生活ということもあり、同じような教育機関と見られがちですが、いくつか明確な違いがあります。そのなかでも一番大きな違いは教育内容です。文部科学省のホームページを見ると、短期大学は大学の一種とされており「深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成することを主な目的とすることができる。」と書かれています。一方で専門学校は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的とする学校」と書かれています。難しい文章で分かりにくいですが、短期大学は一般教養と専門分野を学ぶ場所、専門学校は専門分野に特化した内容を学ぶ場所といったところでしょうか。個人的には短大は4年制大学を2年間に凝縮したもの、専門学校は大学の授業の中で専門的な授業だけを抜き取って凝縮したものといったイメージを持っています。

また、短期大学の設置基準は大学と同じなので、運動場や図書室、研究室などを置かなくてはいけませんが、専門学校は必要でなければこれらの施設を置く義務はありません。また学校を置くために必要な土地についても、専門学校は校舎等を保有するに必要な広さで良いのですが、短期大学は一定の広さが必要なので、短期大学の方が広々としたキャンパスで大学生活を送ることができると思います。
一方で、同じ栄養士養成施設であれば、学費や就職率、就職したときの初任給などはほどんど差がありません。ただし、一般教養と専門分野を学ぶという点では短期大学のほうが就職先の選択肢は多いかと思います。

栄養士の資格は通信教育で取れる?メリットとデメリットを解説【Vol.1】