香蘭女子短期大学

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食物栄養学科

これからの時代は「調理のできる栄養士」【Vol.1】

“調理もできる栄養士”への道

 大学は食物栄養学科の管理栄養士専攻で、もともと化学が好きで、調理学も似ているところがあって、おもしろくて、空いてる時間はよく図書館で調べものをしていました。調べたことをまとめる「調理ノート」を作るのが楽しくて、何冊も作っていました。
 もともと薬学部に行きたくて、でも受験に失敗して食物栄養学科に行ったので、自分ではあまり料理をしたことがなかったです。
その中で、授業で献立を立てるときに、家で料理を作ってなかったので全くレパートリーがなくて、アイディアが浮かんでこなかったんです。それに、授業で腎臓病の人のための塩分を抑えた食事を習ったときに、「焦げ目をつけましょう」「レモン汁を絞りましょう」と教わって、「もっとおいしい料理を作れるんじゃないのかな?」と思ったけど、料理の知識がないから何も思い浮かばなくて…。
 料理の勉強をすれば、料理と栄養の両方ができる栄養士になれる。
 そう思って、大学卒業後に1年間、調理師専門学校に行きました。調理師学校まで行って栄養士になる人は珍しいですが、“調理もできる栄養士”が必要とされている栄養士なのではと思ったんです。

すべての人の食生活を豊かにする、それが栄養士

 調理師専門学校に入ったら最初の授業がフランス料理の講義で、試食で初めてフランス料理を食べて、あまりにもおいしすぎて「なんだこれは!」と驚きました。そのとき、本当においしい料理を作れるようになりたいと思って、“おいしい病院食が作れる栄養士”という当初の目標はひとまず脇に置いて、料理の方に進もうと決めました。その学校に就職して14年間、料理とお菓子を教えていました。結婚後、調理師学校を退職して、次に病院に勤務しました。
 調理師と栄養士は全然違って、調理師は調理の技術や理論を使ってお客さんを驚かせたり、おいしくて美しいもので感動させたり出来ると思うのです。栄養士は幼児からお年寄りまで、妊婦さんや病気の人など、あらゆる人の食生活を楽しく彩り豊かなものにできるよう考える仕事だと思っています。
 調理師は調理の知識や技術を突き詰めて高めていく。栄養士はそれも大事だけど、体や健康、栄養のこと、全部の知識が備わっていないとできない。私は、両方を経験して、それぞれの仕事の魅力を知ったので、授業では両方の魅力、技術と理論を教えて、栄養士としてのスタートラインに立てるよう、指導していけたらと思っています。

魅力あふれる授業でやる気スイッチオン!

 夫の転勤で福岡に来て、前任の先生に紹介していただき、香蘭で教えることになりました。栄養士の学校は真面目でおとなしい子が多いイメージがありますが、香蘭の学生は元気で明るくてかわいい子が多いです。それに、みんなが仲良くて楽しそうです。
 私は授業で調理実習を担当しているので、まずは学生に料理を好きになってもらいたいし、楽しいと思ってほしいです。そのために、みんなそれぞれ興味があるところが違うので、できるだけいろんな方向から情報を発信しようと思っています。
 この前の授業では、「和食の法則」と言って「この割合で作ったらどんな料理もおいしく作れるんだよ」という法則を話しました。また、きれいに盛り付けて、「盛り付け方一つで全然印象が違うんだよ。」と説明すると、みんなの目がキラキラってなるのがわかるんです。学生のやる気スイッチを見つけて、もっと引き上げたいなと思っていつも授業に取り組んでいます。
 栄養士の資格を取るためには勉強する科目がたくさんあって、学生は忙しくて大変な時期があります。そういうときに考え方を前向きにして、やる気を上げられるように、学生の様子をよく見て励ますことも心がけています。


【これからの時代は「調理のできる栄養士」 Vol.2を見る】

食物栄養学科 講師
青木 友紀子

◎担当科目
「基礎調理学実習」「実用調理学実習」「応用調理学実習」

◎プロフィール
奈良県出身。大学は食物栄養学科で学び、卒業後、調理師専門学校に進学。調理師専門学校に14年間勤務した後、病院に勤務。夫の転勤に伴い3年前から福岡に在住。フランス料理とお菓子が得意。
管理栄養士・調理師

これからの時代は「調理のできる栄養士」【Vol.1】