香蘭女子短期大学

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保育学科

保育者が心理学を学ぶ理由【Vol.1】

人の心に関心を持ってほしい。保育学科で心理学を学ぶということ

 高校では吹奏楽部でコントラバスを弾いていました。教室で過ごすよりも部活で過ごす時間のほうが楽しくて、部活が学校生活の中心でした。今思えばそこが居場所でしたね。大学でも社会人のサークルに入ってコントラバスを続けていました。
 心理学と出合ったのは高校1年の時。それまでは心理学にあまり興味はありませんでしたが、自分の気持ちを持て余してしまうような時期があって興味を持ちました。科学がこれだけ解明されているのに、なんで一番身近な自分のことがわからないんだろうと思うようになって。のちに進学する大学、学部のことを知って、そこに進もうとなんとなく決めたんです。
 大学院の途中から10年以上、病院の小児科や精神科、スクールカウンセラーなど非常勤の仕事をしていました。地震や大雨など災害後の心理支援などもしています。
 心理学を学びたいと思って保育学科に進む人はきっと少ないですよね。入学してから初めて「こういう授業もあるんだ」と思う学生が多いと思います。私の授業の目的は、人の心や感情について考えることに関心を持ってもらうこと。そういう意味で、保育にも心理学が必要なんです。

想像力を持って人と関わる

 心理学って人の心を理解しようとする態度を身につけるための学問だと思います。保護者や子ども(以下同)と出会ったときに、「この子どういう気持ちでこんな行動をするんやろか?」「お母さんは今どう感じてるんやろか?」と常に考えようとしてほしい。教科書を勉強したからわかるようになるわけではなく、理解するためにちゃんと話を聞き、気持ちを想像する姿勢を身につけるための学問です。
 たとえば、友達とけんかしてたたいてしまったときに、「たたいちゃだめでしょ」と言ってもその子はやめないと思います。その前に一言、「たたきたい気持ちになったのかな」とか「うまくいかなくてくやしかったんだね」と共感して、「でも、お友だちはたたかれたら嫌だよね」と言うと子どもの気持ちが収まりやすくなるのではないでしょうか。共感するというのは、相手の気持ちを想像することなので、その姿勢があるとないでは子どもへの言葉の届き方が全然違うし、それが身についている人と身についていない人とでは保育者としてかなり差が出ると思います。
 昨年、実習に行った学生のレポートに、こんなエピソードがありました。「どうしてこんなことをするのかな」と子どもの行動に納得できなかったときに、そこの施設の保育士さんに「本当は関わりたいけど素直に表現できなくて意地悪を言っちゃったんじゃないかな」と言われて、翌日からそう考えて接したら落ち着いて子どもと関われるようになった気がする、と書いてありました。そういう経験を積み重ねてほしいなと思います。

香蘭発の“保護者に愛される保育者”に

 香蘭は積極的な学生が多いのが特徴です。わからなかったらすぐに質問したり意見を言ってくれるので、私ももっと工夫して説明しようとかモチベーションを引き出されます。それは社会に出ても一緒だと思うんです。保護者に対して細やかに反応を返すのはすごく大事で、そういう素質を持っている学生が多いです。
 香蘭の学生が現場に出て、保護者に愛される保育者になってくれることが私の夢です。「この先生でよかった」と思ってもらえるような保育者になってほしい。そういう話を卒業生から聞くと、教えていてよかったなと思います。


【保育者が心理学を学ぶ理由 Vol.2を見る】

保育学科 講師
姫島 源太郎

◎担当科目
子どもの理解と援助
幼児理解と教育相談
子ども家庭支援の心理学
発達心理学Ⅱ

◎プロフィール
北九州市出身。大学院生のときから小児科やスクールカウンセラーなど現場で活動。高校では吹奏楽部でコントラバスを担当、最近の趣味は山登り。

保育者が心理学を学ぶ理由【Vol.1】