香蘭女子短期大学

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食物栄養学科

笑顔になれる食事で楽しい毎日をお手伝い。 栄養士は資格があるからこそ自信を持って人の人生をサポートできる仕事です。【Vol.2】

向いてる仕事に導いてくれた先生のアドバイス

 卒業後の進路では、食品の企業で商品開発に携わる仕事にも興味がありましたが、先生に相談したら「まずは栄養士として働くほうが向いてるんじゃない?」とアドバイスされました。実際に働いてみて、食べることも好きですが、献立を立てるのが好きで、ご飯を食べに行っても「これは献立に反映できないかな」と考えて献立を作ってみたり、ちょっとおもしろいメニューを考えるのが楽しいので、先生のアドバイスどおり、栄養士になってよかったと思っています。
 卒業後、まずは給食委託会社に4年間勤めて、働きながら勉強して管理栄養士の資格を取りました。栄養士として働き始めて「管理栄養士になったら仕事の幅が広がるのかな。やってみたい」と思ったんです。分厚い参考書を買って、仕事が終わって家に帰ったら勉強するという生活を2年くらい頑張りました。

「おいしかったよ」の言葉が一番のやりがい。食事で楽しい毎日をサポートしたい

 今は特別養護老人ホームで働いています。利用者のみなさんにとって家みたいな場所なので、楽しく穏やかに笑顔で過ごしてほしい。病院で栄養指導をするのも理想的な管理栄養士の仕事ですが、みなさんが「ここにいてよかった」と思えるお手伝いを食事でしたいという気持ちがあり、この施設で働くことにしました。
 今いる管理栄養士は私と香蘭出身の後輩の2人で、200人くらいの利用者の方の栄養管理をして、体重や食事量、採血データをすべて把握します。給食は委託会社に任せていますが、献立はすべてチェックして、近くにあるデイサービスの施設は立ち上げの時から関わり、献立も考えます。
 利用者さんがおいしそうに幸せそうに食べている姿を見ると安心しますし、「おいしかったよ、ありがとう」と言われるのが一番やりがいを感じます。
 以前病院で働いていた時には「いつもおいしいごはんをありがとう」というお手紙をもらったこともありました。利用者の方のサポートができてると感じる瞬間が、やっぱりうれしいです。
 大変なことも、もちろんあります。給食委託会社にいたときは休みが少なくて残業も多かったです。施設に自分しか社員がいない場合は、責任者としてパートの方のシフト管理を組んだり、悩みも聞いてあげて、いかに働きやすくするかを考えなくてはいけなくて…。栄養士としての仕事以外の部分がこんなに大変だということは、現場に出て初めて知りました。

資格があるからこそ自信につながる。栄養も笑顔も提供できる仕事

 施設に入所したときから、楽しく笑顔になれる食事を一生提供していきたい。
 これが今の私の夢です。
 栄養管理は当たり前ですが、みなさんに喜んでもらいたいし、口からしっかり栄養を取ってもらうことが一番なので、自力摂取や嚥下が難しい方にもおいしく安全に食べていただけるような食事を考えています。
 この前は敬老会があって、この施設で初めてステーキを出したんですが、すごく好評でした。みなさんなかなか外出ができないので、そういうメニューを取り入れたり、少しでも旅行に行った気分や季節感を味わってもらいたいので、全国のいろんな郷土料理を出したりします。「食べたことなかった」と喜んでもらえるし、メニューを考えるのも楽しいです。
 管理栄養士は、カンファレンスで介護士、看護師、機能訓練指導員と利用者の方について話し合う時、その中できちんとポジションがあって、資格があるからこそ自信を持って対等に話し合えるし、いろいろ意見も言えるのかなと思います。
 実際に社会に出てみると、理想と現実が違うこともあるけど、その分楽しいことや喜びも大きいです。これから社会に羽ばたく人は、ぜひ将来に向けて頑張ってほしいなと思います。

食物栄養学科卒
藤竹 美椰子
(ふじたけ みやこ)

管理栄養士。1990年生まれ。佐賀県出身。スポーツが好きで、中学は卓球部、高校は陸上部で活動。高校時代の得意科目は生物。香蘭在学中の思い出は、香蘭祭で出店をやったこと。休日は好きな映画を観たり、音楽を聴いてリラックスしている。

笑顔になれる食事で楽しい毎日をお手伝い。 栄養士は資格があるからこそ自信を持って人の人生をサポートできる仕事です。【Vol.2】