香蘭女子短期大学

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食物栄養学科

「私、必要とされてる」を感じる、給食の世界【Vol.2】

喜びも困難も盛りだくさん。栄養士のリアルな現場

 栄養士の仕事の楽しさはたくさんあります。喫食者の方々がおいしそうに食べてる姿を見ると楽しいなと思いますし、みんなで一緒に作るのも楽しいです。“給食管理学内実習”という授業では、13~15人くらいの学生と一緒に約100食分の給食を作るので、たくさんの人とたくさんの物を作る、そういう時間を共有することが本当に楽しいです。
 その反面、現場ではトラブルやアクシデントが必ずあるんです。箱を開けてみたら白菜が全部腐ってたとか、水が出なかったりとか…。たくさん作るからこそ、トラブルも家庭サイズの大きさではないので大変です。たくさんの人がいればいるだけ、人間関係も難しい面があります。
 そんな環境で、食事を提供する時間が決まっているので、「あの人が遅れてるから手伝ってあげないと」とか「今何時だからあれをしないといけない」とか周りと時計を見る力がすごく大事だと思います。

クオリティーの高いカリキュラムで実践的スキルが身に付きます

 授業では、段取りを考えて作ることを特に指導しています。いつも「次はこれを作る、その次はこれを作る、と2つくらい先を見て作りなさい」と言っていて、先々まで考えて調理する力をつけて卒業できるようにしています。
 食育にも力を入れています。これから成長する子供たちへの食育は、栄養士にとって大きな役割です。香蘭には関係園(附属幼稚園や系列保育園)があるので、子供たちがパンを作りに来たり、授業を超えていろいろなかかわりがあるんですよ。それが香蘭の強みで、食育をしっかりと習うことができます。
学生にとって、私たち教員は、人生で初めて出会う栄養士なんです。だから本当に楽しそうにやっていないと仕事の楽しさが伝わらないので、それは心がけています。
 それと、“丁寧にする”ことも大切にしています。学生は間違ったことも自分勝手なことも言いますが、いつも話は最後まで聞くスタンスを持っています。丁寧にするというのは料理も一緒です。丁寧にしないといいものができませんから。

香蘭がはぐくむ粘り強い力。食で人を支えるスペシャリストになろう

 食物栄養学科は素直な学生が多いし、みんな粘り強くなります。最初は「課題が多い」とか悩んでいますが、「取るのが大変だからこそ世の中で役立ついい資格なんだから、2年間しっかり頑張ってください」と励まします。そうすると1年の終わり頃にはスケジュールや課題の多さにも慣れて、2年の前期には自分で課題や目標を見つけて頑張っています。
 卒業生ともずっと交流が続いているので、香蘭で一緒に働くことが夢です。卒業生が香蘭に戻ってきて、彼女たちが使っていた実習室で今度は後輩を育てる姿を見たいなと思っています。
 調理師やパティシエと違って、栄養士は継続的に食をサポートする仕事です。人の一生というとちょっとおおげさかもしれませんが、成長を支え、病気を改善、予防するのは、調理師ではなく、栄養士です。本当にすばらしい職業ですよね。それに、資格は絶対に裏切りませんよ。
 私は栄養士になったことを後悔したことはないです。一分たりとも(笑)
 一緒に勉強して食でみんなを支えていこうよ。そう思っています。


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食物栄養学科 准教授
麻生 廣子

◎担当科目
調理基本演習
給食管理
給食管理学内実習

◎プロフィール
福岡県出身。学生時代から調理が好きで、高校生の時に栄養士を志す。管理栄養士の資格も取得し、病院や保育園など給食の現場で長年勤務。

「私、必要とされてる」を感じる、給食の世界【Vol.2】